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眼瞼下垂が術後に逆転?へリングの法則について

更新日:2022年10月9日


今日は先日受けた右眼の眼瞼下垂の術前と術後の写真の比較を見てみましょう。

*ご本人の承諾を得て写真を掲載しております。ご協力ありがとうございました!



右はかなり高度の腱膜性眼瞼下垂です。おでこも相当皺が寄っていますね。

眼瞼下垂を程度を表す指標にMRD(Margin Reflex Distance)1いう数字がありますが、眼瞼縁から瞳孔中心の角膜反射までの距離をミリメートルで表します。

この方の右眼はマイナス1ミリくらいでしょうか。


このように挙筋が完全に外れてしまっている方は挙筋腱膜短縮術の適応です。



手術を行いました。挙筋腱膜と瞼板をつないだら上がりすぎてしまったのでこの方はミューラー筋短縮でちょうどいいくらいに上がりました。

術直後のお写真です。




写真ではわかりづらいのですが、術前の写真では、おでこに深い皺が刻まれており、自然と頭位も顎を挙上するような姿勢になっていますが、術後は顎を上げなくても見えるので頭位は顎を引いた姿勢に戻るのです。

おでこの皺も既に薄くなっています。しかし、左眼は術前より下垂しています。このことは術前から予測していました。

眼を開こうとする力は両眼同じくらい入るので、開けにくい右を上げるために頑張っていた力が抜けて、術後は少ない力であくようになると、今までつられて持ち上がっていた左眼が下がってしまうのです。これをへリングの法則と言います。


そういう目で術前の写真を見ると、左眼も眉毛が上がり、おでこにも皺が寄っていますよね。左も程度の差はあれ、下垂は起こっていた言う事になります。



この方のように、左右差がひどい下垂の場合は、片方だけ手術をすると、もう片眼も必要になることがあるので注意が必要です。また両眼手術が必要になる可能性についてお話しして、必要であればその場で手術を行う事もあります。



この方は以前私が勤めていた病院でお世話になった関係者の方ですが、そういう方から手術のご依頼を頂くのは大変光栄なことです。そんな経緯もあり、今回(あまりにわかりやすくへリングの法則が出現したので)、ブログへの出演も快諾して下さいました。



元町マリン眼科では、眼瞼下垂の日帰り手術を行っています。

眼瞼下垂手術は下垂による症状があり、診断基準を満たせば保険適応での手術が可能です。

  • 瞼が下がって視界が狭い。

  • 上の方や横の方が見にくい。

  • テレビや本を見ていると瞼がつぶれてくるので手で持ち上げている。

  • おでこや頭に力が入って頭痛や肩こりが取れない。

  • 睫毛が被さって見にくい、あるいは睫毛が良く入る。

などが代表的な症状です。

眼瞼下垂でお困りの方は、元町マリン眼科へご相談ください。



眼瞼下垂手術について


手術の費用:3割負担で両眼で50000円前後、1割、2割負担の方は自己負担上限金額です。

また、眼瞼下垂を伴う全身疾患が疑われる場合は初診時に採血を行います。初診料と合わせて6千円程度かかります。


手術時間は両眼で1時間程度で、局所麻酔下に行います。


ダウンタイム:2~3日はかなりまぶたが腫れます。1週間後に抜糸を行います。内出血は1~2週間で徐々に軽快します。


リスク:出血、痛み、低矯正、再発、創感染、薬剤アレルギーなど、ごくまれに瘢痕形成。




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