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​逆さまつげ

逆さまつげとは

逆さまつげは、何らかの原因でまつ毛が目の中に入って痛みや異物感、流涙などを起こす病気です。入るまつげが1~数本であるものや、瞼全体が内側にめくれこむものまで程度は様々です。逆さまつげは正式な病名ではなく、病名としては、睫毛乱生(しょうもうらんせい)症、睫毛内反症と眼瞼内反症があります。それぞれ上下ともにおこり得ます。

逆さまつげの原因

逆さまつげは先天性と後天性に分けられます。先天性は主に顔の形から来るものです。実は日本人やアジア人は、蒙古襞という目頭の余剰皮膚が多いのと、目の周りの脂肪が多いため、乳幼児期の睫毛内反症の有病率が高いのです。軽度なものは成長に伴って顔面の皮下脂肪が落ち、顔面が縦に長くなると多くの症例で自然に治癒します。10歳ごろまでに治らなければ、大人になっても治らない可能性が高くなるといわれており、その頃から手術を検討しても良いかもしれません。重度の逆さ睫毛で黒目(角膜)に傷がついてしまったり、目ヤニや涙を繰り返す症例では幼児~学童期に手術を検討します。後天性では、加齢により瞼の皮膚がたるんでくると発症する老人性眼瞼内反症があります。成人の逆さまつ毛手術をするケースは、生まれつきの方で手術を逃した方と、年齢で皮膚がたるんで巻き込むようになった方とのパターンがあります。加齢によるたるみが内側に倒れやすいのは瞼が厚くて脂肪が多いアジア人の特徴で、欧米人では外反症になりやすくなります。

逆さまつげの治療法

逆さまつげが数本であれば、通院の度に抜くのも一つの方法です。しかし、抜いても睫毛は何度でも生えてきます。通院が煩わしい、通院できない時は手術での根治療法を考慮します。数本であれば手術で切らなくても、まつ毛の根元を針脱毛して生えなくなるようにする治療が可能です。(睫毛根電気分解法)通電時に痛みがありますので、麻酔の注射をして行います。何本もある場合、全ての毛根を完全に電気分解するためには回数がかかります。先天性で、大人になっても治らない場合は、埋没法や、切開による内反症手術の適応になります。老人性の場合は、横方向のたるみが強いので、水平方向に短縮するような術式が選択されますが、治りにくく再発しやすいので複数の手術を組み合わせることが多いです。

逆さまつげの症例

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睫毛内反症

一重で、上の皮膚の被さりが、睫毛の向きを下に向けています。

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加齢によって起こる下眼瞼内反症

下のまぶたが緩んで内側にめくれこんでおり、睫毛は眼球側に倒れ込んでいます。

逆さまつげ

先天性睫毛内反症(逆さまつげ)

先天性睫毛内反症(逆さまつげ)の術後経過のご紹介です。

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