スキンリドレーピング法による内眥(ないし)形成術
- HASUMI

- 10月14日
- 読了時間: 5分
逆さまつげの悩み、あきらめないで!傷跡がキレイな目頭切開「スキンリドレーピング法」とは?本日は実際の症例写真を用いて解説していきます。
今回は、生まれつきの逆さまつげ(先天性睫毛内反症)に長年悩んでこられた20代の患者様の治療についてご紹介します。患者様の承諾を得て写真を掲載しております。ご協力誠にありがとうございました!

この患者さまは、まつ毛が眼球に触れることによる不快感だけでなく、蒙古襞による目元の印象にもお悩みでした。そこで内眥形成術として、複数の手術を組み合わせる治療を提案しました。
内眥(ないし)形成術(目頭切開):目頭の突っ張りを(蒙古襞:もうこひだ)をゆるめる
Lid margin splitting:まつ毛と粘膜の際を切開して睫毛を外側へ向けやすくする
Hotz法:まぶたの際の皮膚を切開し、まつ毛を外側へ向ける
これらをいっぺんに行う手術は両目で1時間以上かかる手術です。術翌日の様子です。術後の軟膏はこのくらいは塗って欲しいですね!


1週間後の様子です。傷はまだ赤く凸凹していますが、右眼の二重がしっかりして目の左右差が良くなりましたね。もちろん逆まつ毛は良くなったとのことで抜糸を致しました。

1ヶ月後には切開したところがやや色素沈着をきたしています。しかし、それは誰もが大なり小なり起こることです。時間とともに軽快しますが、気になる方にはハイドロキノン入の美白化粧品などをご紹介しております。

手術から4ヶ月が経過し、逆さまつげの症状はすっかり改善。見た目も自然でぱっちりとした印象になり、患者さまにも大変ご満足いただけました。もう気になることは何も無いですとのことで晴れて卒業となりました。ブログへの掲載協力誠にありがとうございました。
今回の治療では、特に目頭切開で「スキンリドレーピング法」という、傷跡が目立ちにくく自然な仕上がりが期待できる方法を採用しました。 「目頭切開って傷が残りそうで怖い…」と感じる方も多いと思います。そこで今回は、この「スキンリドレーピング法」について、写真(イラスト)を交えながら分かりやすく解説していきます!
なぜ目頭切開が必要なの?
東洋人に多い「蒙古襞(もうこひだ)」は、目頭部分に覆いかぶさっている皮膚のことです。この蒙古襞の張りが強いと、目が小さく見えたり、離れて見えたりするだけでなく、皮膚がまぶたを下に引っ張ることで、逆さまつげや眼瞼下垂の原因になることがあります。
内眥形成術(目頭切開)は、この蒙古襞のつっぱりを解消し、まつ毛が自然に外側を向くように手助けする、逆さまつげ治療においてとても大切な手術なのです。
傷跡が目立ちにくい「スキンリドレーピング法」の手順
「リドレーピング」とは、英語で「覆いなおす」といった意味です。その名の通り、皮膚を一度剥がして、きれいに覆いなおすようなイメージの手術です。美容の世界では韓流目頭切開とも言われているものです。
スキンリドレーピング法のメリット
傷跡がまつ毛の際に隠れて目立ちにくい
かぶさる皮膚を切除することで蒙古襞のつっぱりを根本から解消できる
個人に合わせた自然なデザインが可能で、仕上がりが美しい
従来のZ法やW法といった目頭切開術も良い方法ですが、スキンリドレーピング法は特に「傷跡をできるだけ目立たせたくない」「自然な変化を望む」という方に適した手術方法と言えます。動画のリンクを貼ります。実際の手術動画ですので苦手な方は注意して御覧ください(動画の症例は本症例ではありません)。
内眥形成術について
最近ブログの更新が滞っており、楽しみにしてくださっている方には申し訳ございません。いいね!やフォローで励まされ、執筆意欲が向上しますのでブログを応援して下さる方は是非いいね!をよろしくお願い申し上げます。
元町マリン眼科では目頭の逆さまつ毛や蒙古襞による眼瞼下垂に対して内眥形成術の日帰り手術を行っています。
逆まつ毛は以下のような症状を引き起こします。
常に睫毛が入ってチクチクする
充血や目やにが改善しない
瞼が入り、異物感が常にある
目が霞んで見づらい
睫毛が良く入るので、頬を手で引っ張るくせがある
などが代表的な症状です。
逆まつ毛でお困りの方は、元町マリン眼科へご相談ください。
内眥形成術について 手術の費用:3割負担で片眼で51000円前後です。両眼はその倍です。 また、初診時に感染症チェックのための採血を行います。初診料と合わせて4、5千円程度かかります。
手術時間は片眼で30~40分程度で、局所麻酔下に行います。
ダウンタイム:2~3日はかなりまぶたが腫れます。1週間後に抜糸を行います。内出血は2週間程度で徐々に軽快します。1ヶ月位は朝むくんだり、まぶたが赤いなどの症状が見られることがあります。傷の赤みは半年くらいで徐々に改善していきます。
リスク:出血、痛み、低矯正、再発、創感染、薬剤アレルギーなど、ごくまれに瘢痕形成。
この記事の執筆者

元町マリン眼科
院長 蓮見由紀子
所属学会・認定医
医学博士
日本眼科学会認定専門医
横浜市立大学附属病院非常勤講師






