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はやり目👁の怖い合併症・角膜混濁



はやり目…それは非常に感染力の強いウイルス性の結膜炎です。原因ウイルスはアデノウイルスです。以前ブログでも紹介しました。はやり目は夏に多いので今後注意したい病気です。




先日、視力が出にくい小学生の女の子が受診しました。

右は矯正視力が(0.4)、左は(1.2)だったのです。既に眼鏡はお持ちだったのですが、眼鏡の度数を上げても視力が伸びない。

聞けばこの3月に、日曜日もあいている眼科で処方箋を書いてもらって作った眼鏡だそう。

処方の前には1週間くらい点眼して、測って処方箋を作ったようだ。



これは不同視弱視なのかもしれない。弱視治療を始めるにはちょっと遅いかもしれないなあ、と思いながら顕微鏡をのぞくと、右目は黒目の表面の角膜という透明な膜が白く濁っていました。



Dr.「お母さん、彼女は最近はやり目のひどいのになりませんでしたか?」


母「え?そういえば、もう2年くらい前かもしれませんが。弟からこの子も私もうつって大変でした」


その角膜混濁ははやり目の合併症の角膜混濁だったのです。ひどいはやり目の後に、角膜混濁がしばらく続くことはたまにあります。


この方のように0.4まで視力が落ちてしまう事は、私も初めてでしたが、充血が取れて目ヤニが出なくなっても、眼の霞を訴える方は時々いらっしゃいます。

やはり炎症が角膜にも及び、ミクロのレベルで混濁しているからなんじゃないかと思っています。



当院では、眼が赤くて、目ヤニがひどくはやり目が疑われる方は、隔離対応でその場でウイルス検査を行っています。検査が陽性であれば、アデノウイルス結膜炎は炎症症状が強く出るので、ステロイド点眼も躊躇せず出します。




目が真っ赤になって、偽膜ができるほどの強い炎症であれば強めのステロイド点眼をつけた方が早く消炎すると考えられるからです。



それではこの方のように、結膜炎症状はとっくに治っているのに混濁している場合、どうするか。ステロイド点眼を根気よく続ければ、角膜混濁は次第に軽快していくかもしれません。そう願います。




たかが目ヤニ、充血だから…と市販の点眼で粘っていると大変なことになるかもしれません。家族や同僚にうつしてしまう事もあります。心配な時は眼科を受診してくださいね。





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