まつ毛が目に入る原因と正しい対処法
- HASUMI
- 6 日前
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まつ毛が目に入ると、ゴロゴロした違和感や痛みを伴うことが多く、日常生活に支障をきたす場合もあります。こうしたトラブルの背後には、逆さまつげなどまつ毛の向きの異常やまぶたの構造的な問題が隠れていることが少なくありません。早期に原因を知り、正しい対策をとることが大切です。
まつ毛が頻繁に目に入ると角膜や結膜を傷つけるリスクも高まり、視界のぼやけや充血、目やにが増えるといった症状が続くこともあります。とりわけ逆さまつげは放置すると症状が悪化し、最終的には視力低下につながる恐れも指摘されています。ご自身のまつ毛の状態をこまめにチェックしておきましょう。
本記事では、まつ毛が目に入るときに起こる症状から、逆さまつげの原因や種類、手術費用の目安までを解説します。軽度であればセルフケアで対応できる場合もありますが、必要に応じて専門的な治療を検討するのが望ましいでしょう。
まつ毛が目に入ったときに起こる主な症状
まつ毛が目に入ると、様々な症状があらわれます。早期発見のためにも、基本的な症状を把握しておきましょう。
まつ毛が目に入ると、まず感じやすいのがゴロゴロとした異物感です。さらに角膜や結膜が刺激されることで、目やにが増えたり充血したりすることもあります。症状が進行するとまばたきのたびに痛みが生じたり、視界がぼやけたりするため、日常生活に支障をきたす場合があります。
逆さまつげ(内反症)とは
逆さまつげは、まつ毛が本来向かう方向とは逆に生えてしまう状態を指し、代表的な3つのタイプに分類されます。
逆さまつげは「内反症」とも呼ばれ、まつ毛そのものがうまく外向きに生えずに眼球を刺激する症状です。主にまぶたの構造や加齢、先天的な要因などが複合的に絡む場合が多く、放置すると角膜に傷が付くリスクが高まります。軽度ならばセルフケアで対処できますが、重症化した場合は視力への影響や慢性的な痛みにつながるため、専門医による診察が必要です。
眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)
これはまぶた自体が内向きに反ってしまうタイプの逆さまつげです。まつ毛が常時眼球に触れやすく、痛みや充血、涙目などを引き起こしやすい特徴があります。特に加齢や外傷によるまぶたのたるみが原因で起こることが多く、早めの対応が推奨されます。
睫毛内反症(しょうもうないはんしょう)
見た目のまぶたは普通に見えても、まつ毛だけが内側を向いてしまう状態です。多くは先天性で、特にアジア人の子供に多く見られます。蒙古襞が原因になっていることもあります。成長に伴い、顔が伸び、ほっぺたの脂肪が落ちることによって10歳くらいまでに自然に治癒することも多いですが10歳を超えても治らない場合は自然治癒は難しい場合があります。軽度の場合はアイプチやビューラーなどのセルフケアで一時的に症状を和らげることができますが、繰り返し再発したり、慢性化することで日常生活に支障をきたす場合は手術が検討されます。
睫毛乱生(しょうもうらんせい)
まつ毛が一部だけバラバラの向きに生え、その一部が眼球に触れてしまうケースを指します。特定の箇所のまつ毛だけが異常な方向を向き、角膜を刺激することが多いです。自覚症状が出にくい場合もあるため、目のゴロゴロ感や痛みが続く場合は早めに検査を受けると良いでしょう。
逆さまつげの原因と分類
逆さまつげが起こる背景には、生まれつきの構造や加齢によるまぶたの変化、外傷など様々な要因があります。原因を正しく把握することで、逆さまつげの再発を防ぐ手立てを考えやすくなります。先天性の要因や加齢、外傷や炎症など、複数の原因が影響してまつ毛の向きが乱れることがあるため、症状に合った対策や治療が必要です。
先天性
生まれつきまぶたの皮膚や組織に異常がある場合、まつ毛が内向きに生えることがあります。皮膚やまぶたの構造が原因となっており、幼少期から症状が現れたり、成長に伴って症状が強くなることもあります。家族に同じような症状を持つ人がいる場合には、定期的なチェックをしておくと安心です。
加齢
加齢によってまぶた周辺の皮膚や筋肉がたるみ、まつ毛の生え方が変化することがあります。特に下まぶたが緩むことで、まつ毛が逆さに入りやすくなるケースが多いのが特徴です。視力や健康を保つためにも、早い段階で眼科専門医の診察を受けることが重要です。
炎症や外傷によるもの
結膜炎などの炎症やまぶたの外傷が原因でまつ毛の生え方が乱れることがあります。これらの外部要因はまぶたの組織を変化させ、本来の生え方を損なってしまうのです。放置すると慢性的に刺激が加わり、さらに症状が進むことがあるため、早めのケアと対処が重要です。
自力での応急処置やセルフケアのポイント
症状が軽度のうちは自分で対処できる場合もありますが、安全性を考慮した対策が大切です。セルフケアでまつ毛の向きを一時的に整えたり、抜いたりする方法もありますが、やり方を誤るとまぶたや毛根を傷める可能性があります。特にまつ毛の抜去は赤みや腫れを伴う場合があるため、清潔な道具を使うなど衛生管理に気をつけて行いましょう。また、長期的な改善を目指すなら、早めに専門医の診断を受けるのが望ましいです。
まつ毛を抜く場合の注意点
まつ毛を抜くときは、細菌感染を防ぐためにピンセットの清潔さを保つことが必須です。また、強引に抜けば毛根やまぶたを傷つけるリスクがあります。抜いた後は刺激を和らげるために人工涙液や抗炎症作用のある点眼薬を使用し、異常があればすぐ眼科を受診してください。
ビューラーやアイプチを使うときのコツ
ビューラーやアイプチを使うと、一時的にまつ毛の向きを外向きに整えることができます。ただし、強く引っ張り過ぎるとまつ毛を痛めたり、かえってまつ毛の向きが不安定になることもあるので注意が必要です。毎日のメイクで取り入れる場合は、自分の目元に合った道具を選び、優しくカールさせるようにしましょう。
市販の目薬でのケア
軽い刺激を和らげる目的で人工涙液や抗炎症作用のある点眼薬を使う方法があります。異物感や軽い充血が続くときには効果的ですが、根本的なまつ毛の向きは直せないため、あくまで一時的なケアに留まります。数日使っても症状が改善しない場合は、眼科の受診を検討してください。
逆さまつげの主な治療方法
根本的な症状の改善を図るためには、眼科や美容外科での専門的な治療が必要となる場合があります。
逆さまつげの治療は大きく分けてまつ毛を直接抜く方法と、まぶたの構造を外科的に変える方法が存在します。軽度の症状ならば定期的なまつ毛抜去や埋没法など低侵襲な治療を選択しやすいですが、重度の場合は切開法や内眥形成術で根本的に矯正することも考えられます。正しい選択のためには、医師と十分な相談を重ねることが大切です。
まつ毛抜去
ピンセットなどでまつ毛を一本ずつ抜く方法です。短期的には有効ですが、再発する可能性が高いため、症状を根治するには適さない場合があります。痛みや腫れが生じることもあるため、自己判断で頻繁に行うのは避けましょう。
埋没法(糸による矯正)
もともと二重まぶたを作る際に用いられる手術法で、糸を使ってまぶたの形を整えることでまつ毛の向きを矯正します。切開しない分ダウンタイムが短く、軽度から中度の逆さまつげに対しては有効な選択肢です。ただし、まぶたの状態や皮膚の厚みによっては効果が持続しにくい場合もあるため、医師の診断が重要となります。
切開法(皮膚切開による矯正)
まぶたを切開して余分な皮膚や組織を取り除き、まつ毛の向きが正しくなるように再構成する手術です。重度の逆さまつげで痛みや角膜障害が進んでいる場合に適用されることが多く、再発率が低いのが特徴です。しかし、切開を伴うため埋没法よりもダウンタイムが長くなる可能性があります。
内眥形成術(目頭切開)
目頭付近の皮膚や組織を調整して、まぶたのカーブを理想的な形に近づける手術です。蒙古ヒダの影響でまぶたが引っ張られている場合、この施術によってまつ毛が内側を向く現象を軽減することができます。まぶたの構造そのものに原因があると判断されたケースで、根本的な矯正を目指す際に検討されます。
手術にかかる費用と保険適用の有無
逆さまつげに対する手術費用は、保険適用の有無や手術の種類によって大きく異なります。一般的に保険適用の場合は自己負担費用が抑えられ、数千円から数万円程度で済むこともあります。一方、美容目的や軽度の逆さまつげの場合は保険適用外となり、埋没法や切開法などの施術内容によっては数万円から数十万円になるケースもあるようです。症状の度合いや医療機関によって費用が異なるため、詳しくは医師やクリニックに相談して確認することが大切です。
まとめ・総括
まつ毛が目に入る症状は放置すると悪化する可能性があります。正しいセルフケアと専門的な治療を理解し、早めに対処しましょう。
まつ毛が目に入ると目の違和感や痛みだけでなく、角膜や結膜を傷つけるリスクも高まります。逆さまつげやまぶたの構造による場合もあるため、セルフケアで改善が見られない場合や症状がひどくなる場合は眼科の診察を受けることが必要です。適切な治療を行うことで再発リスクを減らし、快適な視界を取り戻すことが期待できます。
