top of page

なぜ3歳の子に「巨大・多発」しやすいの?霰粒腫の原因とお母さんに知ってほしいこと

  • 執筆者の写真: HASUMI
    HASUMI
  • 8 時間前
  • 読了時間: 4分


こんにちは、元町マリン眼科です。 当院では、毎週のようにお子さんの霰粒腫(さんりゅうしゅ)の切開手術を行っています。


「まだ3歳なのに、どうしてこんなに大きなしこりがいくつもできるの?」

「私のケアが足りなかったのかしら……」


そんなふうに自分を責めたり、不安になったりしているお母さんたちがとても多いと感じています。今日は、最新の研究データも交えながら、3歳前後のお子さんに霰粒腫が多発・巨大化しやすい「本当の理由」をわかりやすく解説します。


1. 霰粒腫は「まぶたのニキビ」のようなもの

まぶたの縁には、涙の蒸発を防ぐための脂(あぶら)を出す「マイボーム腺」という出口があります。ここが詰まってしまい、行き場を失った脂がまぶたの中で「しこり」になったものが霰粒腫です 。 漢方医学では「眼性痰核(がんせいたんかく)」と呼ばれ、ニキビと同じようなメカニズムで考えられることもあります 。



2. なぜ3歳児に「多発・巨大化」するの?

実は、1歳から3歳くらいのお子さんは、大人よりもずっと霰粒腫ができやすく、重症化しやすい条件が揃っているのです。


  • 「出口」がとても細い: 3歳児のマイボーム腺の管は成人に比べて細く、わずかな刺激や汚れで簡単に詰まってしまいます 。

  • 脂の質がベタベタしている: 乳幼児の脂は、大人に比べて「トリグリセリド(中性脂肪)」という成分が多く含まれています 。これが腺の中で固まりやすく、しこりを大きくする原因になります 。

  • 「目をこする」刺激: 遊びに夢中になって汚れた手で目をこすってしまうと、腺の出口が傷ついたり、細菌が入って炎症が強まったりします 。


3. もしかして「食べすぎ」や「栄養」も関係ある?

最近の研究では、体質や生活習慣との関わりも指摘されています。

  • 甘いものや脂っこいもの: チョコレート、アイスクリーム、バター、糖分の多いジュースなどの摂りすぎは、脂の質を変化させ、出口を詰まりやすくさせることがあります。

  • ビタミンAの不足: ビタミンAは粘膜の健康を保つのに欠かせません。これが不足すると、腺の出口が硬くなって(角化)詰まりやすくなるという報告もあります。偏食が気になる時期ですが、意識して摂りたい栄養素です。

  • お腹の調子: 漢方医学では、胃腸の乱れが目のしこりに繋がると考え、体質改善を並行することもあります。


4. お子様の霰粒腫でよくあるご質問

  • 「切らないと治りませんか?」というご質問もよくいただきます。 霰粒腫は良性疾患で、いずれは吸収されなくなる病気です。切るか切らないかはご家族の考え方次第です。更にどこで切るかもご家族の考え方次第です。当院では無麻酔で当日切開を行っていますが、無麻酔ですので、小さなお子様にとっては怖い体験であると思います。なるべく短時間で終わらせるようにしていますが、全身麻酔をしてやってくれる施設もありますので、麻酔をご希望の方は他院をご検討下さい。

  • 「どのくらいで吸収されますか?」と聞かれてもお答えできません。破裂を繰り返しながら、小さくなっていくもの、徐々に吸収されて小さくなるものもあれば、炎症を繰り返して小さくなったり大きくなったりするものもあり、経過は様々です。小さなものは数週間~数ヶ月かけて吸収されることもありますが、巨大なものや多発している場合は年単位で悩まされるケースもあります。

  • 「切ったら(切らなかったら)キズ痕が残りますか?」切開になるほど大きな霰粒腫は、すでに皮膚を破壊しています。お子さんの治癒力は非常に高く、大変綺麗に治ることがほとんどですが、切っても切らなくても皮膚のダメージが大きければ痕を残さず治るとは言い切れません。

  • 「黒目を覆うような大きい霰粒腫で視力が心配」大きなしこりが眼球を圧迫し続けると、角膜の形が歪んでしまい、「乱視」を引き起こすという報告もあります 。3歳は視力が急速に発達する大切な時期ですので、長引く場合は切開手術も検討されます。当院では必要に応じて適切なタイミングでの切開をお勧めしています 。



お母さんへ:自分を責めないでくださいね

霰粒腫が多発するのは、お子さんの成長過程における「腺の未熟さ」や「体質」が大きく関係しています 。決して、お母さんの毎日のケアが悪いわけではありません。


まずは、「温罨法(おんあんぽう:まぶたを優しく温める)」や、清潔を保つ「リッドハイジーン(目元の洗浄)」から始めてみましょう。


当院では、お子さんが将来にわたって健やかな視力を育めるよう、全力でサポートしています。再発を繰り返して悩んでいる方も、ぜひ一度ご相談くださいね。


bottom of page