こんばんは、院長の蓮見です。
今日は前の病院の時から来てくださっているFさんという患者様ご夫妻が、ご近所の足が不自由な方をお連れになりました。Fさんはちょっと遠くにお住まいで、お車でいらっしゃるのですが、今日はご自分の受診日ではないのに、その方を連れていらっしゃったんです。
「数年前に白内障手術をしたのに、全然見えなくなってしまって大変お困りだから」との事で、ご夫妻は昨日まで旅行していたそうなのですが、今朝一番に連れて来てくださったようでした。なんて親切なご近所さんなんでしょうか。
確かに視力は右0.2と左0.1。もう新聞もテレビも何にも見えなくて、との事。当然です。
その方は後発白内障になっていました。
後発白内障とは…❓
白内障は、眼の中のレンズ(たんぱく質)が変性して濁ってくるという、簡単に言うと老化現象なのですが、代わりに入れる人工レンズはプラスチックでできているので、半永久的に透明なままです。
なのでふつうは一生に1回(両眼なら2回)しか、白内障手術は行いません。
白内障の手術は、レンズは砕いて取り出しますが、レンズを入れている袋(水晶体嚢)を残して、その袋の中に人工レンズを入れます。その袋はご自分の袋なので、また濁ってくることがあります。
袋が濁ると、また白内障みたいに濁って見にくくなります。
それを後発白内障といいます。
今度は薄い袋の濁りなので、レーザーで穴をあける手術をすれば、また白内障術後と同じように見えるようになります。
レーザーで穴をあければ、普通は後発白内障は再発することはありません。なので、後発白内障のレーザーも一生に1回の手術です。
かくして、今日のこの患者様も、後発白内障による両眼の視力低下と言う事が判明し、
その日のうちに、両眼の後発白内障のレーザー手術を行いました。
レーザー後お会計をお待ちの間に見えるようになり、患者様はとても喜んでいらっしゃいました。ご夫妻はそのレーザーが終わるまでの間、クリニックでお待ちになっていました。本当に親切なご近所様ですね!
後発白内障は、術後しばらくたって起こることが多いですが、個人差が大きく、10年以上たっても濁っていない人もいれば、すぐに濁ってくる人もいます。一般的には若い人ほど早く起こりやすいです。
簡単で安全なレーザーで治療することができます。レーザーは痛みもなく、5分くらいで終了します。レーザー後は入浴、洗顔などは普通にできます。
一度白内障手術をしたのに、また見えにくくなってしまった方は、後発白内障の可能性もありますので、是非受診してみて下さい。
自覚症状がなくても、気が付かない間に後発白内障になっていることもあります。手術を受けた方は、定期的に眼科に検診に行ってみてくださいね。