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執筆者の写真HASUMI

片目の眼瞼下垂手術と左右のバランス


久々の症例紹介です。5月の11日に眼形成再建外科学会があり、ずっといそがしかったのでブログの更新ができませんでした。お陰様で無事に発表を終えることができました。その内容はいつかブログでも紹介したいと思います。


片目の眼瞼下垂に対する挙筋腱膜前転法の経過


今回の方はいつもご紹介くださる先生のところで目の注射を定期的に受けていらっしゃる方ですが、注射を繰り返しているうちに段々眼瞼下垂がひどくなってきたとのことで紹介受診されました。

左目優位の眼瞼下垂がありますね。


ヘリングの法則というものがあり、両目には同じように瞼を上げようとする力が入るので、このように左右差がある方は左を持ち上げると右が下がることがあります。詳しくは以前のブログ御覧ください。そのため左の手術後に、右も手術が必要になる方が半数くらいいるイメージです。(半数は多すぎかもですね、いつか調べてブログにします)



この方のように、瞼が動かなくて持ち上がらないのは腱膜性眼瞼下垂で挙筋前転法の手術が必要です。二重のところから切開して、瞼を持ち上げる眼瞼挙筋の末端である挙筋腱膜と瞼の中にある瞼板を縫合して瞼の動力を瞼に伝えられるようにします。

左の手術翌日の写真です。眉の高さも揃っており、目の幅も同じくらいになりました。



1週間後の抜糸の時には既にとても満足されていました。



先日1ヶ月後検診にお見えになり、もう心配なことは全くないとのことだったので卒業、紹介元でフォローとなりました。この方は今のところ右目の手術は必要なさそうです。





紹介してくれたお近くの先生にも褒められたそうで、やはり信頼している先生からの紹介ということも安心して手術を受けていただけました!手術結果にも満足いただけて、写真の使用も快諾してくださいました!写真のご協力ありがとうございます。


私達医師は、すべての治療を自分のところで完結できるわけではなく、この病気ならこの病院のこの先生に、という風に振り分けを行っています。そのために学会などに参加して常にアンテナを張って、新しい治療や薬の情報はもちろんですが、〇〇病院の何とか先生はこの病気に力を入れているなどの情報も集めているのです。

紹介は、紹介してくれた方の信頼を裏切らないよう特に気合が入ります。ネット検索で来ている方も、よく聞くと患者さんの紹介だったりするのですけどね。


最近の元町マリン眼科の眼瞼下垂の手術待機時間


さて、4月は水曜日も手術をして消化したこともあり、現在は手術は初診から1ヶ月程度でご予約となっております。手術をご希望の方は全員採血を行っており採血結果の確認には2週間程度かかります。採血に異常がなければ手術の日程をご予約確定できます。

夏休みは学生さんの手術希望が多いのと、お盆休み前に受けてダウンタイムをお盆で乗り切りたい働き盛り世代の方で混み合うことが予想されます。最近夏休み希望の学生さんの受診が増えてまいりましたので、そのあたりで手術をご検討の方は早めの受診をお願い申し上げます。(手術は申込順であり、また、初診時に仮予約などは承れませんのであらかじめご了承下さい。)


ダウンタイムに関してですが、大きな切開を伴う眉下切開>切開式重瞼形成>挙筋腱膜前転、などは2~3日はかなり腫れます。内出血はひどい場合は吸収に2~3週間かかることもありますが、抜糸後はお化粧などで隠すことは可能です。

目頭切開、埋没法による重瞼形成、下逆まつ毛の手術などは、通常そこまで腫れませんので、翌日から出勤や学校に行くことは可能だと思います。


手術は月曜・火曜・金曜のいずれかの曜日でお選びいただけます。翌日は通常受診して頂き消毒と傷の確認を行います。また、1週間後に抜糸のために受診が必要です。



人手不足のため、最近ブログを書く元気が湧かなかったのですがようやく持ち直してきました。解消するまでにはもう少し時間がかかりそうですが、ようやく目処が立ったところです。ブログに対するいいね!やフォローで励まされます。元町マリン眼科を応援して下さる方は是非いいね!をよろしくお願い申し上げます。


眼瞼下垂手術の適応と費用・リスクなど


元町マリン眼科では、眼瞼下垂の日帰り手術を行っています。眼瞼下垂手術は下垂による症状があり、診断基準を満たせば保険適応での手術が可能です。


  • 瞼が下がって視界が狭い。

  • 上の方や横の方が見にくい。

  • テレビや本を見ていると瞼がつぶれてくるので手で持ち上げている。

  • おでこや頭に力が入って頭痛や肩こりが取れない。

  • 睫毛が被さって見にくい、あるいは睫毛が良く入る。


などが代表的な症状です。眼瞼下垂でお困りの方は、元町マリン眼科へご相談ください。


眼瞼下垂手術について

手術の費用:3割負担で両眼で50000円前後、1割、2割負担の方は自己負担上限金額です。また、眼瞼下垂を伴う全身疾患が疑われる場合は初診時に採血を行います。初診料と合わせて6~7千円程度かかります。手術時間は両眼で1時間程度で、局所麻酔下に行います。


ダウンタイム:2~3日はかなりまぶたが腫れます。1週間後に抜糸を行います。内出血は2週間程度で徐々に軽快します。1ヶ月位は朝むくんだり、まぶたが赤いなどの症状が見られることがあります。傷の赤みは半年くらいで徐々に改善していきます。


リスク:出血、痛み、低矯正、再発、創感染、薬剤アレルギーなど、ごくまれに瘢痕形成。


この記事の執筆者



元町マリン眼科

院長 蓮見由紀子


所属学会・認定医

医学博士

日本眼科学会認定専門医

横浜市立大学附属病院非常勤講師(ぶどう膜専門外来)







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