先日、名古屋にアートメイク研修に行った時の事、先方の先生とランチしながら、ボトックスの話をしました。
「あなたまだボトックス打ってないの?一日も早く打つべきよ!」と言われて気になっていた当院のナースですが、ついにボトックスデビューする決心がついたようです。
目尻の笑いじわが気になっていたとの事。皺が多いと疲れて見えてしまうのもお悩みだったようです。
ボトックス治療の手順
まず術前の皺の状態を評価します。
目をギューッとつぶった状態です。目尻にたくさんの皺が出来ますが、これは眼輪筋という瞼を閉じる筋肉が収縮するためです。
眼輪筋は眼を取り囲むように瞼の皮下にあります。顔面神経麻痺になると眼輪筋が麻痺して瞼が閉じなくなります(兎眼といいます)。瞼が閉じないと、ひどいドライアイになりますので、必要な分だけ、皺の目立つところに打ちます。
いよいよ注射です。針は30Gという細い針を使用します(痛みに弱い方は更に細い針も有料でご用意できます)。しかしながら注射ですので痛みはあります。そこで注射部位を冷やしてお待ちいただきます。
痛くなるほど冷やしたら準備完了です。
ベッドが自動で倒れていきます。アルコールで注射部位を消毒します。
目尻の場合は基本は眼の目尻側の端(外眼角)の1.5センチ外側の3か所に2単位ずつ打ちます。合計12単位打ちました。
「全然痛くなかった~!」との事。痛みの感じ方には個人差がありますが、大抵の方は冷やすことで我慢できるくらいの痛みです。
2~3日経つと効果が表れてきます。
打った目尻の外側の皺は薄くなっていますが、眼の下の4~5本が残っていますね。
そこで、眼の下の外側に2か所ずつ、2単位ずつ追加することにしました。
追加投与した2~3日後、眼の下の皺も薄くなりました!
効果は1~2週間後に最大になり、その後は徐々に効果がマイルドになって、3ヶ月から半年で効果は消失します。
表情じわとは?
顔にある表情筋は無意識のうちに動かしてしまうものであり、人と話している時、街を歩いている時、本を読んでいる時などにもついつい眉間にしわが寄っていたり、おでこに皺が寄ってしまっている事があります。皮膚の弾力が低下して来ると、同じ表情を繰り返すうちに深い皺となり消えなくなってしまうのです。
ボトックス治療の対象となるのは、おでこの横じわや、眉間の縦じわ、目尻のカラスの足跡のような大きくて深い皺が対象となります。
ボトックス製剤について
ボトックスの成分はボツリヌス菌の毒素です。筋肉を弛緩させる(麻痺させる)効果があります。菌自体を注射するわけではないので、毒素が分解されれば効果はなくなります。医療用にも使用されている効果と安全性が高い治療薬です。
当院では、アラガン社のボトックスビスタを使用しています。しわ治療に対して厚生労働省が認可しているボツリヌス治療製剤はボトックスビスタのみです。また、施注できるのはアラガン社の講習を受けた認定医師のみとなります。
ボトックスが受けられない方
全身性の筋肉の病気がある方(ランバード・イートン症候群、重症筋無力症、ALSなど)
妊娠している、またはする可能性がある方、授乳中の方
ボトックスに対するアレルギーがある方
その他基礎疾患があったり内服している方は事前にご相談ください。
治療後の注意と副作用について
注射当日の洗顔は問題ありませんが、注射部位を揉んだり、強くこすったりするのは避けるようにしてください。
注射部位に痛みや内出血を起こすことがあります。数日で軽快します。
2週間後、アセスメントのために受診して頂きます。足りないところや副作用をチェックするためですので必ずご受診下さい。
稀ですが、眼瞼下垂、複視、頭痛などの副作用が現れることがあります。
費用
初診時にカウンセリング料3,300円がかかります。
ボトックスビスタ 2,200円Ⅹ必要単位数となります。
主な部位の必要単位数は以下の通りです。
眉間…5点打ち10単位(22000円)~
おでこ…5~7か所10単位(22000円)~
目尻…両眼で6点打ち12単位(26400円)~
以上が、表情じわに対するボトックス治療の流れでした!気になった方はカウンセリングからご予約下さい!
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