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白内障術後の生活の注意について


今日はたまたま、白内障手術後のフォローの方がお二人戻っていらっしゃいました。



当院では、白内障手術は行っておりません。そのため、手術適応の方は手術を行っている施設へとご紹介しています。

手術をたくさんやっている施設は、混んでいたり、遠くて通いづらい、と言う事もあるかもしれませんので、その場合は当院で術後のフォロー外来を受けて頂けます。


私は、元町マリン眼科開院前に勤めていた医院では、白内障手術も執刀しておりましたので、手術のタイミングやレンズについての相談は、術者としての観点からもアドバイスできます。



さて、今日戻ってきた患者様はお二人とも60代でした。

最近の60代はお元気でお若いので、えー、もう白内障手術?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。



しかしこのお二方は、なるべくしてなった白内障でした。


一人目の方はものすごーい近眼だったのです。

いわゆる病的近視といわれるど近眼の方は、白内障をはじめ、緑内障、黄斑変性、網膜剥離など、様々な眼病のリスクが高まります。


近視の度数は眼鏡やコンタクトの度数(球面度数)がマイナスで表され、-6以上が強度近視に分類されます。この方の度数は‐10以上、ひどい方は-16という数字でした。

強度近視の方は、核白内障というのが年齢より早く進んでしまう事があり、そのタイプだったのです。


こういう方が白内障手術を受けると、白内障がとれるだけでなく、術後は眼鏡なしで生活できるくらいに近視が回復するので、とっても喜ばれます。


今日のこの方も、何十年ぶりに眼鏡なしで見えて嬉しい!とおっしゃっていました。




お二人目の方は、「最近、夜眩しくなったりハレーションを起こすことがある。」という事で来院された方です。


この方は老眼が早く来たタイプで遠視眼でした。

眼圧は正常を超えており、顕微鏡で観察すると、隅角というところが狭くなっていました。

この方は閉塞隅角緑内障になっていたのです。ハレーションを感じた時は眼圧が上がっていたのでしょう。夜は瞳孔が開くので隅角がさらに狭くなり、水の流れが悪くなって眼圧が上がったのです。



この方は視力や視野はまだ障害されていなかったので、白内障手術をすれば、その症状が無くなり、今後は緑内障の心配もしなくて済むというお話をしたところ、手術を希望されました。


手術を終えて帰ってきたら、眼圧は半分に下がっていました。

最初に出された目薬で、ハレーションを起こすことはなくなったけど、手術が無事に終わって嬉しい、とおっしゃっていました。




白内障手術後は1週間は洗顔や洗髪ができません。

術後すぐは眼の傷が完全に閉じていないため、眼に水が入ると、水と一緒にばい菌が傷から入り、細菌性眼内炎という恐ろしい合併症を起こすことがあります。

目薬は、たいてい2~3種類出ます。全部合わせて一日10回以上目薬をつけないといけません。目薬の種類や回数はだんだん減っていきますが、決められた回数を守り、なくなったら続きの処方をもらいましょう。


また手術後は今までと、見え方が急激に変わり、人によってはまぶしく感じたり、青白く感じる方もいます。時間の経過とともに新しい見え方に慣れていきます。眩しい時はサングラスなどをかけると良いでしょう。


人工レンズは多焦点のものもありますが、いまだ単焦点が主流です。単焦点レンズは調節機能がありませんので、術後は老眼鏡が必要になります。

老眼鏡を作る時期は視力が安定する2~3か月後が良いでしょう。

当院で作ることも可能ですし、処方箋の発行もできます。


以上が白内障術後の注意です。


白内障は手術をすれば見えるようになるのですが、いつ手術をしても結果は同じです。

手遅れになると言う事はあまりない病気ですが、白内障の奥に他の病気が隠れていることもあります。

「白内障が気になるけど、しばらく眼科に行ってない」という方も、そろそろ検査に行ってみてはいかがでしょうか。






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