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3歳児視力検診の重要性

更新日:2022年12月12日

3歳児視力検診はなぜ3歳に行われるのでしょうか?

それは治療可能な弱視を手遅れにならないように見つけ出すためなのです。





生まれたばかりの赤ちゃんは、眼球の形がまず完成していません。大きさは大人の3分の2くらいの大きさで、網膜の中心の黄斑部も出生後4~5週経ってから凹み始めます。視機能的には目の前の動くものに反応するくらいで、視力は成長とともに発達していきます。


正常に発達していけば、生まれた直後の視力は光がわかる程度、生後3ヶ月では0.05、1歳で0.2~0.3、2歳では0.4、3歳で1.0くらいと言われています。

しかし、見えていると言う事と、視力検査ができると言う事は別次元の問題であり、眼科で視力を測っても1.0まで測れる子はおよそ半分くらいです。


このように、3歳くらいまでの間に、お子様の視力は急速に発達していきます。また、その時期が一番感受性が高い時期だと言う事です。視機能の感受性はこの後、6~8歳くらいまでは伸びる余地がありますが、その後は伸びなくなってしまいます。


視機能が発達するには、網膜にクリアな像が映っていることが大事で、それを大脳に伝えることで視力のいわゆる解像度が上がります。この網膜にクリアに映ると言う事はすなわち、極端な遠視や近視がない事が大切です。

また、両眼でものを見ることによって立体感が生まれますが、斜視などで視線が揃わないと両眼視機能の獲得が難しくなります。


したがって、もし視機能が獲得できていなければ、その原因を突き止め、治療して正常な視力の発達を促すと言う事が3歳における視力検診の目的となります。

また、先ほどお話ししたように、年齢が進むほど視力の感受性は衰えてしまうため、なるべく早く見つけて治療を開始した方が、治療に対する反応も良好ですし、治療に抵抗性であっても、次の手を打つ時間があります。


弱視というのは眼球に器質的・形態的な異常がないか、あってもそれだけでは説明できない低視力、と定義されています。弱視は屈折異常弱視(遠視か強度近視)、不同視弱視(ひどすぎるガチャ目や乱視)、斜視弱視、形態覚遮断弱視(白内障や角膜の異常、先天眼瞼下垂など)に分けられます。


それぞれの治療は各項にまた機会があれば書こうと思いますが、こういった異常をいち早く見つけるために重要な3歳児視力検診を是非受けてくださいね。


元町マリン眼科では、目ヤニやものもらいで受診された小さなお子様でも、視力検査をお勧めしています。

3歳であっても前述のように上手にできるお子さんは半分くらいです。しかし回を重ねるごとに上手になります。まずは病院に慣れてもらうことも大切です。


特に斜視や弱視が心配なお子様は、視能訓練士枠を是非ご利用ください。

弱視訓練などを行う専門職、視能訓練士については☞こちら


今日もブログを読んでいただきありがとうございました!


この記事の執筆者


元町マリン眼科

院長 蓮見由紀子

所属学会・認定医

医学博士

日本眼科学会認定専門医

横浜市立大学附属病院非常勤講師(ぶどう膜専門外来)





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