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眼にステロイド注射💉👁何のため?どうやって注射するの?

更新日:2022年10月9日



ステロイドってよく聞くけれど、どんな薬なんでしょうか?

いわゆるステロイドとは、副腎皮質ステロイドホルモンの事です。人間の体内には腎臓のそばに副腎という組織があり、その皮質という部分で作られるホルモンが副腎皮質ステロイドホルモンです。副腎には髄質という部分もあり、別のホルモンが作られます。

ですから、ステロイドは健康な人間の体内にも存在するものです。

それを生合成して、薬として使用しているのです。



ステロイドは体内で様々なはたらきをするのですが、抗炎症作用と免疫抑制作用が強いため、免疫の異常で炎症を起こす病気や、臓器移植の後の維持療法に使われたりします。

眼の病気では、眼の炎症を起こす病気であるぶどう膜炎の治療に用いられます。



ステロイドを使う時は、まず点眼が用いられますが、眼の奥の網膜にも炎症がある場合、点眼で網膜に届く量はわずかなので、なかなか改善しない場合があります。そのため注射で目の中に直接届ける(硝子体注射)か、眼球の裏の方に注射をする方法(テノン嚢下注射)を行います。

硝子体注射は、直接眼球の中に針を刺します。効果が高く、キレがよいのですが、副作用であるステロイド白内障やステロイド緑内障の頻度が高くなります。

そのため、ある程度効果が高くて、副作用の発現率も少ないテノン嚢下注射が行われることが多いです。



テノンというのは、眼球の白目の表面の皮(結膜)の下の綿のような組織です。結膜に小さな穴をあけ、先の尖っていない針をテノンの中に進めて眼球の裏側に滞留型のステロイド剤(トリアムシノロンアセトニド)を撒くことをステロイドテノン嚢下注射と言います。





適応疾患:ぶどう膜炎の炎症や黄斑浮腫、さらに、糖尿病黄斑浮腫や、網膜静脈閉塞症の黄斑浮腫にも浮腫の軽減のために使用されることがあります。


処置:麻酔の点眼をします。眼の消毒をしてから顕微鏡の下で注射をします。術後は眼帯をして帰宅します。また、術後の抗菌目薬を1週間くらい点眼して頂きます。


テノン嚢は狭い空間なので、0.5CCのステロイドをいれると、かなりの容積なので痛みがあります。また、結膜を切開するので出血することもありますが、通常微量なので、5分程度圧迫すれば止血できます。


効果はややゆっくり効果が出現し、1か月後くらいが効果のピークです。その後はだんだんと効果が薄れていき、3ヶ月から6か月で効果は切れます。


副作用など:疼痛、出血、眼圧上昇、白内障の進行、緑内障、ごくまれに感染や眼球穿孔などの視力に重大な影響を及ぼした報告があります。



よく、針が見えて怖くありませんか?と聞かれますが、顕微鏡下に行いますので、まぶしくて見えないと思います。また、近すぎて普通はピントが合わないと思いますのでご安心を。




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