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  • 執筆者の写真HASUMI

白内障術後に眼瞼下垂になる?!

眼瞼下垂は眼の手術の後に起こることがあります。私は以前は白内障手術も行う普通の眼科医でしたが、手術後に眼瞼下垂になる方を何例か経験しました。また、他の執刀医の術後であってもやはり術後眼瞼下垂になる方もいらっしゃいました。


眼の手術の時には開瞼器という目が閉じないようにする機械を使用します。開瞼器で目一杯瞼を拡げて、その状態で10分~硝子体手術であれば1時間以上瞼に力が加わります。その結果瞼の筋肉にダメージがおこるのでしょう。眼瞼下垂の原因に、内眼手術の術後、というのも記載されています。


本日は、白内障手術をしたら睫毛が巻き込まれるようになってしまったという高齢男性の症例をご紹介します。*ご本人の承諾を得てお写真を掲載しております。ご協力ありがとうございました。



向かって左側、右目の開きが悪いですが、両目とも瞼がかぶさって側方の視界が遮られています。目じり側の皮膚が垂れ下がり、睫毛を倒して目に入ってしまうんですね。

右は腱膜性眼瞼下垂もあるのですが、まずは眉下切開で皮膚をなるべく取りましょう、その後右の挙筋短縮をしましょうとお話しして、手術を予定しました。





この方は目と眉の間が非常に狭いので、こんなにたくさん皮膚を取らないといけません。



手術を行いました。翌日のご様子です。だいぶ出血がひどいですね。



しかし1週間後には出血はほぼ引いていました。この時点で睫毛は入らなくなってご本人は満足そうでした。

娘さんからはジュリー藤尾に似ているといわれたとのこと。


1か月後、再診時には傷もだいぶきれいになっていました。私は右目が半開きなので挙筋短縮手術をするつもりだったのですが、ご本人はその希望はなさそうです。この時左目が大きくなっているのは以前ご紹介したへリングの法則のためです。右の開きが悪いので左は過開大になります。





つい先日5か月の検診にいらっしゃいました。私は再度、右の眼瞼下垂手術のご希望を聞いたのですが、もうじき90歳になるからと、断られてしまいました。ご本人的には睫毛も入らなくなり、見やすくなって視力も改善したと、満足そうでしたが。私の写真が役に立つなら、とブログの出演もOkしてくださいました。



この方のように皮膚のたるみも強く、目の開きが悪い場合、見た目の仕上がりを考えると、2回に分けて手術を行ったほうが良いと、2期的な手術をお勧めした次第なのですが、超高齢者にとってやはり手術や通院は負担になるので、なるべく1回で決着をつけてあげなければいけないという教訓を得た症例でした。


最近ブログの閲覧数が減ってがっかりしていますが、いいね!やフォローで励まされます。ブログを応援して下さる方は是非いいね!をよろしくお願い申し上げます。



元町マリン眼科では、眼瞼下垂の日帰り手術を行っています。 眼瞼下垂手術は下垂による症状があり、診断基準を満たせば保険適応での手術が可能です。

  • 瞼が下がって視界が狭い。

  • 上の方や横の方が見にくい。

  • テレビや本を見ていると瞼がつぶれてくるので手で持ち上げている。

  • おでこや頭に力が入って頭痛や肩こりが取れない。

  • 睫毛が被さって見にくい、あるいは睫毛が良く入る。

などが代表的な症状です。 眼瞼下垂でお困りの方は、元町マリン眼科へご相談ください。 眼瞼下垂手術について 手術の費用:3割負担で両眼で50000円前後、1割、2割負担の方は自己負担上限金額です。 また、眼瞼下垂を伴う全身疾患が疑われる場合は初診時に採血を行います。初診料と合わせて6~7千円程度かかります。 手術時間は両眼で1時間程度で、局所麻酔下に行います。 ダウンタイム:2~3日はかなりまぶたが腫れます。1週間後に抜糸を行います。内出血は2週間程度で徐々に軽快します。1ヶ月位は朝むくんだり、まぶたが赤いなどの症状が見られることがあります。傷の赤みは半年くらいで徐々に改善していきます。 リスク:出血、痛み、低矯正、再発、創感染、薬剤アレルギーなど、ごくまれに瘢痕形成。


この記事の執筆者


元町マリン眼科

院長 蓮見由紀子

所属学会・認定医

医学博士

日本眼科学会認定専門医

横浜市立大学附属病院非常勤講師(ぶどう膜専門外来)

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