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  • 執筆者の写真HASUMI

美容施術のリスクについて


石川町駅から当院に向かう途中、中村川にせり出すように生えている桜の木。

ちょうど満開くらいでした。




ところで、最近エステでのハイフの施術で神経損傷の報告が相次いでいる、というニュースが話題になりました。ハイフは医療機器であり、2017年には独立行政法人国民生活センターは、エステサロン等でのHIFU施術を受けないように消費者への注意喚起を行っていたにもかかわらず、現在でも街のいたるところでエステによるハイフ施術が行われているのは周知のとおりです。中にはセルフハイフというものもあるらしく、あんな痛くて危険なものを自分でやるなんて、と思っていましたが、このような事態になってしまい大変残念に思います。ハイフは、正しく使うことによって切らずにお顔のリフトアップが可能な画期的な技術で、このニュースによってハイフのNegativeなイメージが広がってしまうことのないように願っています。



ハイフとは


高密度焦点式超音波(HIFU:High Intensity Focused Ultrasound)のテクノロジーにより、真皮・SMAS層・皮下組織や脂肪層に超音波エネルギーを与えて、点状の無数の熱凝固を発生させます。熱凝固が起こったところは、創傷治癒がおこり、2~3週間後に新しいコラーゲンやエラスチンが産生され、1か月後くらいに真皮から肌が再生する頃、効果のピークがあります。皮膚表面にはダメージを与えることなく、たるみを引き締める新しいリフトアップ治療機器です。ダウンタイムが無いため、施術後すぐお化粧も可能ですが、効果には個人差があり、外科手術や糸によるリフトほどの効果は得られません。また、時間が経つにつれて加齢は進行していくため、効果は薄れますので、繰り返しの照射が必要です。


また、医療で行うハイフにもリスクがあります。皮下に熱収縮を起こす機械であるため、皮下に血管があれば血管壁を傷つけ内出血を起こしたり、神経があれば神経損傷も起こしうる機械です。皮膚の下は透けて見えるわけではありませんので、もちろん我々医療者は解剖を勉強し、大体の血管や神経の走行は理解していますが、人間の体はすべて同じ構造をしているわけではないので、大多数の人の神経走行と違う人は一定の割合でいらっしゃいます(これをanormalyといいます)、それを透視するのは不可能です。

つまり、私達は、知識や経験に基づいて、神経を避けるように照射はするが、神経の走行は個人個人で違うものであり、打ったところに神経があれば神経損傷を起こす可能性はあり得るということです。



エステのハイフと医療機関のハイフは何か違うのでしょうか?先述の独立行政法人国民生活センターは、エエステサロン11か所、セルフエステ2か所及び美容クリニック3か所において実際の施術に使⽤されている HIFU 機器を使って、機器の照射⽅式や照射能⼒等について調査を⾏ったそうです。アクリル板に照射して出力を測定するなど、かなり興味深い検証でした。

その結果、以下のことが分かったそうです。

①エステサロン、セルフエステ及び美容クリニックで使⽤されているHIFU機器の間で、照射能⼒に差は確認できなかった。

②エステサロン等で使⽤する機器に照射出⼒の⾼い機器があった。

③同じ箇所に超⾳波を照射し続けると焦点周囲の温度が上昇した。


よく、エステのハイフは出力が弱いから安全、などとまことしやかに言われていますが、そんなことはないということですね。また、神経や血管の走行などの知識のない方が、打ちたい放題同じ箇所に照射したりするのがいかに危ないか、その結果、神経に致命的なダメージを与えることになり、受傷後長期間経っても回復しないということはあり得ることだと思います。


神経へのダメージが軽度であれば、時間とともに回復することはありますが、ダメージが深刻であれば神経の回復は難しく、麻痺や痺れが残ることになります。


美容医療は効果ばかりに目が行き、同意書はもらってもろくに読まずにサインをする方が大半かもしれません。しかし、医療には望ましくない副作用や合併症の危険が常にあります。絶対安全、100%という言葉は医療には存在しません。また、効果を必ず実感できるという保証もありません。

同意書にサインをするということは、そのリスクも含めてサインをするということです。


華々しい効果を謳った写真に目が行きがちですが、細かい文字で書かれた同意書にも目を通し、自分が今受けようとしている治療について、心配なことがあれば私達に相談してみてください。

私達も、これまで以上に安全に気を配り、安心して施術を受けられるように勉強しないといけないと改めて考えさせられました。



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