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執筆者の写真HASUMI

目頭切開からの眉下切開

今回ご紹介するのは、今までありそうでなかった目頭切開と眉下切開を併用した方です。これまでそのパターンでやった方は何人かいるのですが、ご紹介してなかったのでお願いしたところ、「同じ悩みで困っている人のためになるなら」と快諾してくださいました。ご協力ありがとうございます!




術前の写真では、瞼が分厚く、特に耳側に被さっています。目頭側の皮膚の被さりがあるので、まず目頭切開を行い、埋没か眉下切開を行う方針としました。御本人と相談したところ、一重の顔が気に入っていて、二重にしたい希望はないとのことで、眉下切開を選択されました。



目頭切開はZ形成で行いました。翌日の様子です。傷は小さく、内出血も少ないので、眼鏡であればあまり気づかれないかもしれません。しかし、目頭の傷は抜糸後~1ヶ月位のうちに赤黒く色素沈着を起こす時期があります。その間は少し目立ちますが、3~6ヶ月位で落ち着きます。




眉下切開翌日です。腫れは強いですが、すでに眼は開けやすくなり、上の方の影がなくなって見やすくなったとのこと。





抜糸の時にだいぶ見やすいと仰っていたのですが、1ヶ月後にはだいぶ腫れも治まり、眼が開けやすくなって頭痛や疲労が減ったとのことでした!被さりが取れて目の形はだいぶ変わりましたが、自覚的に視界が広がって見やすくなったということで満足していただけました。

同じ悩みの人のためになるなら、と写真の使用を許可していただきました。ご協力ありがとうございました。





このように、目頭切開と眉下切開を組み合わせることによって、瞼の被さりがかなり改善したことから、この方法の有効性を確認できました。メリットとしては、二重にしたくない、顔が大きく変わるのは避けたいという方には良い適応と考えられます。瞼が分厚い方は二重を作りづらく、埋没も外れてしまうことが多いので、分厚い瞼が重く、おでこで持ち上げているような方には適した術式です。

デメリットとしては、傷跡が残ってしまうことで、しばらくは傷は赤く目立ちます。時間とともに薄れますが人によっては半年~1年位瞼の赤みが続くことがあります。また、幅5センチ位の大きな傷を皮膚全層~皮下の眼輪筋まで切除してしまうため、その部分の神経が切断されます。末梢神経なので、周りから神経が伸びてきて傷跡の異常感覚は時間とともに薄れますが、しばらくはアイブロウを書いても感覚がない、と皆さんおっしゃいます。



最近は、やはり切るのは最終手段だなあと感じていて、埋没法を積極的にお勧めしています。埋没法は切らないので傷跡が残りづらく、ほぼシュミレーション通りの二重を作成しやすい点がメリットです。また、切開しないので、ダウンタイムが短いのも好まれる要因です。

最近は糸を複数入れることによってしっかりと重瞼線を食い込ませることができ、また、外れにくくなったので皮膚のたるみが無い~軽度の方には積極的に勧めています。



今年も残すところ後僅かになりました。本年もたくさんの患者さんが相談にいらっしゃって、多くの手術を執刀させていただきました。また、手術には多くのスタッフが関わっており、スタッフの協力無しにはできません。いつも私の無理難題に協力してくれるスタッフさんたちにもこの場を借りて感謝申し上げます。まだあと3日ありますが。。。



最近ブログの閲覧数が減ってがっかりしていますが、いいね!やフォローで励まされます。ブログを応援して下さる方は是非いいね!をよろしくお願い申し上げます。



元町マリン眼科では、眼瞼下垂の日帰り手術を行っています。眼瞼下垂手術は下垂による症状があり、診断基準を満たせば保険適応での手術が可能です。

  • 瞼が下がって視界が狭い。

  • 上の方や横の方が見にくい。

  • テレビや本を見ていると瞼がつぶれてくるので手で持ち上げている。

  • おでこや頭に力が入って頭痛や肩こりが取れない。

  • 睫毛が被さって見にくい、あるいは睫毛が良く入る。

などが代表的な症状です。眼瞼下垂でお困りの方は、元町マリン眼科へご相談ください。


眼瞼下垂手術について手術の費用:3割負担で両眼で50000円前後、1割、2割負担の方は自己負担上限金額です。また、眼瞼下垂を伴う全身疾患が疑われる場合は初診時に採血を行います。初診料と合わせて6~7千円程度かかります。


手術時間は両眼で1時間程度で、局所麻酔下に行います。

ダウンタイム:2~3日はかなりまぶたが腫れます。1週間後に抜糸を行います。内出血は2週間程度で徐々に軽快します。1ヶ月位は朝むくんだり、まぶたが赤いなどの症状が見られることがあります。傷の赤みは半年くらいで徐々に改善していきます。


リスク:出血、痛み、低矯正、再発、創感染、薬剤アレルギーなど、ごくまれに瘢痕形成。


この記事の執筆者


元町マリン眼科

院長 蓮見由紀子

所属学会・認定医

医学博士

日本眼科学会認定専門医

横浜市立大学附属病院非常勤講師(ぶどう膜専門外来)








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