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白内障を合併したアベリノ角膜ジストロフィー

今日は比較的珍しい病気の解説です。


角膜ジストロフィーという遺伝性の病気があります。角膜というのは黒眼の表面の透明な膜ですが、角膜は大きく分けて上皮と実質と内皮という層状の構造をしています。それぞれに基底層があるので実際は6層か7層といわれています。角膜ジストロフィーはこの膜のどれかの層に異常なタンパクが蓄積して混濁を起こす病気です。濁りのパターンで格子状、顆粒状、滴状などと名前がついていますが、それぞれの原因遺伝子がわかってきた今後は、原因遺伝子で分類されることになると考えられます。

わが国で多くみられるのは、実質性角膜ジストロフィーです。



実質性角膜ジストロフィーの中でも代表的なものは顆粒状角膜ジストロフィーです。イタリアのAvellino地方に多くみられたことからアベリノ型と呼ばれています。アベリノ型タイプは5番染色体長腕上に異常を認め、Keratoepithelin(βIGH3) のRl24Hの異常として報告されています。遺伝形式は常染色体顕性遺伝(かつての優性)です。非常にまれですが、異常な遺伝子を2つもつホモ接合体では幼少期に濁りがひどくなり治療が必要であったという報告があります。



実質混濁は若い頃から両眼性に出現し、年齢とともに濁りが強くなり、眩しさや見にくさを訴えるようになります。残念ながら、現在のところ進行を止める目薬などの治療はありません。特に瞳孔の前が強く濁ってくると視力低下を起こすので、その場合はエキシマレーザー によるPhototherapeutic keratectomy(PTK=濁りを削る手術)が必要になります。さらに濁りがひどい場合は角膜移植が必要になるケースもあります。しかし、病気の特性から再発は必発で時間の経過とともにまた濁ってきます。若年発症では進行が早く、治療的介入が必要になりますが、中年以降に発症するケースでは進行は緩徐です。



このアベリノ型の角膜ジストロフィーの方が晩年になって白内障を合併すると、両方が相まって視力が低下することがあり得ます。その場合は手術が必要になりますが、角膜が濁っていると白内障手術の時に視認性が悪く、白内障手術のリスクが高まります。

また、白内障手術が上手く行ったとしても、やはり眩しさが残ってPTKが必要になるケースも考えられます。白内障術後にPTKを行って角膜を削ってしまうと、レンズの度数が狂ってしまい、老眼鏡が必要になってしまって、手術の満足度が低下してしまう可能性があります。


以上のような理由から、アベリノ型の角膜ジストロフィーの方は可能であれば両方を計画的に手術する方が望ましく、また最良の手術結果を得られることが多いのです。しかし、手術にはそれぞれリスクもありますし、その時の年齢やその人の生活スタイルで、術後の視力の要求度は異なります。主治医の先生とよく話し合って、納得して手術を受けられるようにしましょう。



本日はアベリノ(顆粒型)角膜ジストロフィーについてのお話でした。

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この記事の執筆者


元町マリン眼科

院長 蓮見由紀子

所属学会・認定医

医学博士

日本眼科学会認定専門医

横浜市立大学附属病院非常勤講師(ぶどう膜専門外来)

眼炎症学会

眼形成再建外科学会

眼感染症学会

日本美容皮膚科学会



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