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執筆者の写真HASUMI

本日の霰粒腫卒業生のご紹介

今日ご紹介する方は、8月に切開目的に当院を紹介受診した7歳の女の子の症例です。(※ご家族とご本人の承諾を得てお写真を使用させていただいております。ご協力ありがとうございました!)


7歳のお子さんの霰粒腫の治療経過


前の眼科さんで点眼と軟膏の保存的治療でもかなり大きく切迫しているとのことで当日に緊急手術になりました。テープを貼ってお待ちいただき、7歳なら細い針の注射は可能かもしれないと32Gというとても細い針で麻酔をしながら手術を行いました。

注射麻酔は効くまでに数分の時間がかかります。やっぱり手術ですから、痛みというよりは恐怖で泣いてしまう子も多いので、泣き出してしまったらそこでおしまいです。麻酔が効くまで待てませんので結局無麻酔と同じくらいの痛みがあったと思いますが、麻酔開始から1分強くらいは耐えてくれました。出せるところまで出す手術です。





それでも膿はだいぶ出て、1週間後には半分以下に小さくなっていました。しかし全部吸収されたわけではありませんでしたが、本日3週間後の検診にお越し下さりもうほぼしこりはなくなっていました。


ご本人は今日も手術をするのか心配していたそうですが、行きの車の中から虹が🌈見えたので、希望が持てるかも、ご家族と話していたとのこと。虹のご加護なのか、切らずにすみました!良かったですね。




お子様の霰粒腫摘出の傷の経過





今回は皮膚も薄くなっており、皮膚側に多く飛び出しているタイプなので、皮膚側から切開しました。

お子さんの霰粒腫の場合、裏側からやることはあまりない(まずまぶたをめくるという1ステップ増えるので時間勝負のこの手術はやりづらい)ので、このように皮膚が薄くなってきたら手術を検討します。傷が残っても目立たないようになるべくまぶたの際の近くを切るようにしています。

皮膚の赤みはしばらく時間がかかりますがいつかきれいに治ります。切開のタイミングは皮膚が薄くなってきたらが良いと思います。



今ここまで書いて思いましたが、結膜側から切るのは不可能ではないです。以前2歳の子は裏側を切って出しました。瞼をめくれればできるわけですから今度適応の方がいらっしゃいましたらトライしてみようと思います。


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当院での子どもの霰粒腫摘出術について


当院では、小さいお子さんの霰粒腫も全身麻酔無しで切開しています。皮膚麻酔はテープを1時間前に貼ってきて来てもらいますが、テープ麻酔をしても表面だけの麻酔なので、切開は痛みを伴います。注射麻酔はできそうな年齢のお子さんには行いますが、麻酔が効くまでには時間がかかるため、手術時間が長引くのもお子さんにとってはストレスです。さらに、炎症を起こしている組織には局所麻酔はあまり効きません。最終的には怖くてみんな泣きます。


苦痛をなるべく短時間で済むように色々工夫をして行っています。切るほどの霰粒腫は炎症を伴っているので切れば出血は必ず起こります。縫合するお時間はありませんので、ガーゼでしばらく圧迫してもらいます。帰宅後にガーゼは外してもらい、止血していればあとは軟膏を塗って過ごしていただきます。

また、手術後は出血や腫れは必発です。霰粒腫はころっと出るようなものではなく、切れば明日治るものではありません。赤くなって薄くなった皮膚はすぐには元の色には戻りませんが、いつかは必ずきれいになります。



霰粒腫手術の費用やリスクについて


手術の費用:3割負担で1眼瞼につき2400円程度、初診料と合わせて3千円程度かかります。

手術時間は5~10分程度で、局所麻酔下に行います。

ダウンタイム:1~2日はまぶたが腫れます。必要な方のみ1週間後に抜糸を行います。

内出血は1~2週間程度で徐々に軽快します。


リスク:出血、痛み、低矯正、再発、創感染、薬剤アレルギーなど、ごくまれに瘢痕形成。


この記事の執筆者


元町マリン眼科

院長 蓮見由紀子

所属学会・認定医

医学博士

日本眼科学会認定専門医

横浜市立大学附属病院非常勤講師(ぶどう膜専門外来)








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