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執筆者の写真HASUMI

全身麻酔での切除を勧められた霰粒腫の症例

更新日:6月27日


子供の霰粒腫手術=必ず全身麻酔ではない



今回の患者様は8歳の女の子で、1月ごろから大きくなってきた霰粒腫に対して、お近くの病院では点眼、軟膏など処方されたが改善なく、全身麻酔での手術を勧められたとのこと。インターネット検索で当院を見つけ、切開希望で受診されました。

親御さんといらっしゃったのですが、とてもしっかりしたお子さんで、自分で手術で切って治したいという意志が感じられましたので、局所麻酔で手術を行うことにしました。






局所麻酔による霰粒腫摘出



麻酔は痛いのですが、麻酔を効かせれば手術自体はそれほど痛みはないことを説明し、御本人と親御さんの同意を得て手術を開始しました。

麻酔は細い針を使用してなるべくゆっくり注入しましたが、それでも後から聞いたところ痛かったようです。

飛び出している組織は肉芽組織という弱い細胞の塊で、黒い部分は内出血なのでしょう。血管に富んでいるので赤みを帯びています。本症例では全体をスプリング剪刀で切り取りました。切り取った部分は表皮がなくなってしまうため、皮膚のかわりをしてくれるデュオアクティブという絆創膏を貼り続けていただきました。




霰粒腫摘出1週間後の傷跡の様子


1週間後に受診されたときのご様子です。赤みは残っていますが、すっかり上皮化しており、経過良好でした。お父様に写真使用の許可を頂こうとしたところ、御本人自ら「写真使っていいよ!」との事。お写真のご協力ありがとうございました!手術に頑張って耐えたこと、その結果、治癒に繋がったことで、自分のした選択が正しかったという自信に溢れていました。この方はとてもしっかりとしたお子様でしたが、今回のようにお子様でも自分の意志で手術を受けることが可能な場合もあります。治りにくい霰粒腫を切開で治したいという方は是非相談にお越しください。





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元町マリン眼科での霰粒腫摘出について



元町マリン眼科では、霰粒腫の日帰り手術を行っています。当院では2歳から全年齢の霰粒腫手術の実績があります。手術適応の霰粒腫があり、ご本人の同意(未成年は保護者の同意も)があれば手術は受けていただくことができます。

以下はお子様に限らず、霰粒腫手術共通です。


霰粒腫摘出は局所麻酔下に行い、時間は5~10分程度です。

術後は帰宅後にガーゼを外し、それからは軟膏を1日4回塗布して頂きます。

1週間後に治っているか、確認のために受診いただきます。(その際はお近くの先生でも大丈夫です)


霰粒腫摘出手術の費用:3割負担で片目につき3,000円程度、その他麻酔、薬剤代、診察料がかかります。縫合が必要な大きな切開となった場合は6000円程度かかります。縫合した場合は1週間後に抜糸が必要です。


ダウンタイム:麻酔や出血で2~3日はまぶたが腫れます。内出血は2週間程度で徐々に軽快します。皮膚の赤みは1ヶ月くらいで徐々に改善していきます。


 リスク:出血、痛み、再発、創感染、薬剤アレルギーなど、ごくまれに瘢痕形成。



この記事の執筆者


元町マリン眼科

院長 蓮見由紀子


所属学会・認定医

医学博士

日本眼科学会認定専門医

横浜市立大学附属病院非常勤講師(ぶどう膜専門外来)




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